2012年1月13日金曜日

挨拶

前職を辞めてから時々、ひとりの女性社員の言葉を思い出す。
「おかえりなさーい」と、ちょっと高めの声で外から帰ってきたスタッフに声をかけてくれていた。

自分がかけていた言葉を思い返すと、「おかえりなさい」より何も考えることなく「お疲れさま」と言っていた。ただ、自分が感受したことを回顧すると、その「おかえりなさい」と言われた時は、何となく帰社した時にほっとしつつ、癒されていたような気がする。
「おかえりなさい」という言葉を大切にしたいと、そう思う。
と同時に、「おかえりなさい」でも「お疲れさま」でもどちらでも構わない。
きっとその言葉から感じていたのはその「心」なんだと思う。
心をもって挨拶をしたい。


宮崎県日南市飫肥という町にさきがけ挨拶という運動があるらしい。
城下町であった飫肥には、景観をそこなわない為に電線を地中に埋めたり、様々な工夫をしているそう。そして、観光業を大切にする町の取り組みとして、飫肥に来た旅行客などに対して、「こんにちは」と挨拶をするらしい。その教育が徹底されていて、小学生や中高生などが挨拶をする姿に、飫肥へ旅行した人たちが「感動した」などとブログにアップされているのが散見された。


最近では時代の流れからか「向こう三軒両隣」という言葉さえ聞くことが無くなったのに感じるのに、余所者を受け入れて挨拶をするというこの町の運動は少し感動した。


やはり、人生で“話す”回数が一番多いのは挨拶。


コミュニケーション術や交渉力、プレゼンテーション術など、話す“技”のことを勉強することが多いけれど、改めて自分も挨拶という基本を忘れずにしたい。
きっと、意識して声をかける挨拶によって、いつの間にか、自分の気づかないうちに何気ない習慣だけの気持ちのない挨拶になっていたことに気づくのだと思う。


昨年、カンヌでも受賞し注目を浴びたJR九州の開業記念のCM。
新幹線に向かって各地の住民が手を振っている姿は、初めてみた時に感銘を受けた。
CM自体が本当に素晴らしいものであったことはもちろん、あの手を振ることが、九州のSL人吉の走る路線でフレール運動(手を振るレール運動)として地域住民で行っていたことを知り、地域住民と共創した観光業への取り組みの素晴らしさに感動した。


今では自分のなかで、挨拶の素晴らしい地域=九州となった感がある。


久しく行っていない九州。
今年は一度行こう。


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